suetumuhanaのブログ

日常のエッセイ

4月4日はあいつの誕生日だったんだ

高校のときからの友人でその後ずっといい関係だった人がいます。クラスは一緒にならなかったけれどサークルが一緒でともに映画が好きだったんで二人してよく映画に行きました。まだ携帯電話がなかったんで待ち合わせは必ず大きな書店の雑誌売り場あたりでした。雪が上がって陽が照ってきたころ街中がキラキラしている中を寒いのでマフラーに首をすぼめて映画館に行きました。その後高校も卒業して、それからも寄席に行ったりコンサートに行ったりとまぁつかず離れずのいい距離を保っていて大人になると数人で居酒屋やカラオケなんかにもよく行きました。さてそんな彼女がある日、癌を患ったと入院先から電話をしてきました。わたしは花束と当時のことですから数本の映画のビデオテープを持ってお見舞いに行きました。それらのお見舞いのビデオテープは返ってくることなく彼女は天国に旅立たれました。もうあれから20年も私は生きています。イタリアが好きで映画が好きだったのです。私はというとキリスト者でありながらそんな覚悟をした彼女のは到底及びもしないことはわかっているんだけれどそれでも宗教の何たるかを何にもわからずに生きています。