suetumuhanaのブログ

日常のエッセイ

四季があるということは

春夏秋冬とメリハリのある事の良いことは思い出にその頃の気温が伴うことです。例えば「あれは何年前だっただろうか。」とその年代を思い出せなくても「そうそうあれはとても暑い日だった。」などという事と共にその季節は思い出の中にあるものです。そして私が毎年暑い季節になると思い出すのが、若くして亡くなった友人のことです。もう16年も前のことになります。まだその頃は会館で葬儀という事より家から出棺という事があったころです。映画「旅情」が好きだった彼女はイタリアが大好きで病院のベッドのわきにイタリア語の語学のテキストが置いてありました。暑い真夏の炎天下にご焼香にならび、そして出棺の折にはあれは京都独特の風習なのか私は知りませんが本人のお茶碗を地面に叩きつけて割ったときのガチャーンという音がそれさえも暑い空気の中に包まれていったようでした。

 今年同窓会の幹事の役目をおおせつかっています。そしてその返信の中に一通本人の奥様の文字で「主人は2年前に亡くなりました。」という返信が一通来ました。心の底から奥様には悲しい思いをさせてしまったと悲しくなりました。