suetumuhanaのブログ

日常のエッセイ

私の友人は夏に亡くなった

人の寿命が尽きることはいつも理不尽なものだ。反対にいえば納得済みの人の死なんてものはないという事だ。おそらくその昔は冬より暑い夏の方が人が様々な病気に罹ったことだと思う。食中毒やら小さな虫たちが媒体となって流行する病気まで。そしてそのうちの何割かの人がその病気によって命を落とすことになったことだろう。そんなことに納得済みの理屈を唱える奴はきっといない。その死はいつも理不尽なものだ。そして夏の終わりにその理不尽さと現実の愛する人の死を埋め合わせるのに大きな声で泣くこともせずじっと耐える材料が必要なんだ。そんな思いで山に火を灯して現実を受け止め苦しいこの世をもう一度生きていこうと決心することが大事なんだ。今日は京都の山々に火が灯る五山の送り火。