suetumuhanaのブログ

日常のエッセイ

学校帰りの喫茶店

高校生の頃はコーヒーを飲んでスパゲッティを食べて90円と270円の合計360円ですんだ喫茶店に学校帰りによく寄りました。たいてい3人で通りから地下へ続く階段を下りてゆくとそれほど広くない心地よい音楽が小さい音でそっと流れている店に入るとそれからカバンをどんとテーブルの横に置いて時の経つのも忘れてしゃべることしゃべること約1時間。今から思えば何をそんなに話すことがあったんだと感心するほどです。今の若者たちと決定的に違うのは当時スマートフォンがなかったという事でこれは当時の私たちにとってとても幸いなことがらでした。思えば一度帰宅してしまうとわざわざ電話することなどよほどのことでない限りできないし、それも今のようでなくて幸いなことがらでした。ガロの「学生街の喫茶店」やあべ静江さんの「コーヒーショップで」の歌詞がしみじみ心に沁みるのはこんな思い出がないとちょっと無理なことではないでしょうか。