suetumuhanaのブログ

日常のエッセイ

20歳の原点

私たちのサークルでは毎年春の新入生の歓迎会の頃と活動シーズンが終わる冬前に二回サークル内で文集のようなものを出していました。担当の役員が先輩後輩からOB,OGにまで原稿を頼んでそれでも当時は今のようにパソコンはなかったし手書きの原稿をコピーして製本してサークル内で配布していたように思います。今でもOBOGへの連絡の封筒の中に「球音」希望の方は連絡くださいとひとこと書かれていますので今でもまだあのサークル誌は続いているんだなぁと懐かしく思います。その文章の中にひとつ上の先輩が「兄貴の時代」という文章を掲載されました。それは私たちのちょっと上の学生運動世代のお兄さんたちを少々うらやましいと思いますという内容のものでした。それでも私たちの時代も学生という考える時がたくさんある時期にかの「20歳の原点」の著者のように生きることに言葉をぶつけて悩んでいたし、そこから精いっぱいもがいていたようにも思います。

まちで梅の香りがしています。

仕事の帰り、毎日通るみちの中学校の校門あたりで梅のいい香りがしていました。さてどこで咲いているのかとあたりを見てももうすっかり日が暮れていてよくわかりません。どこかしら目のつかないところからふと漂ってくるのが梅の花の香りでしょう。凛と張り詰めた冷たい空気の中になんとも甘い香りがして菅原道真さんも九州の大宰府でこの香りを感じてきっと京都のことを思い出したんだと思います。香りに伴う人生の記憶は脳のかなりしっかりした部分に収まるのか何十年も以前に楽しかった時やしんどかった時に記憶している香りはその頃の思い出をまざまざとよみがえらしてくれるものです。いい年をした中年の男性がにきび面してた頃に記憶したほのかな思いと共に初恋の人のシャンプーの香りを覚えているのもその賜物なんでしょう。

ロードショー

どういう訳か高校の図書室にロードショーとスクリーンという映画の月刊誌が毎月二冊新刊で入ってきていました。私は当時それほど映画館に足しげく通うという事はなかったんですがこの雑誌は両方とも毎月読んでいました。印刷がとてもきれいな本でした。その頃の映画館は細長いエスカレーターで二階あるいは三階に上がって赤い扉のあるロビーに行くのが常でした。今のようなスクリーンがいくつもあって大変きれいなものではなく、その赤い扉がの向こう側に想像力をかきたてる素敵な場所があったんです。学園祭が日曜日にあったりしたら週半ばの平日が代休になるんでその日にすいている映画館にいったモノでした。