suetumuhanaのブログ

日常のエッセイ

学校帰りの喫茶店

高校生の頃はコーヒーを飲んでスパゲッティを食べて90円と270円の合計360円ですんだ喫茶店に学校帰りによく寄りました。たいてい3人で通りから地下へ続く階段を下りてゆくとそれほど広くない心地よい音楽が小さい音でそっと流れている店に入るとそれからカバンをどんとテーブルの横に置いて時の経つのも忘れてしゃべることしゃべること約1時間。今から思えば何をそんなに話すことがあったんだと感心するほどです。今の若者たちと決定的に違うのは当時スマートフォンがなかったという事でこれは当時の私たちにとってとても幸いなことがらでした。思えば一度帰宅してしまうとわざわざ電話することなどよほどのことでない限りできないし、それも今のようでなくて幸いなことがらでした。ガロの「学生街の喫茶店」やあべ静江さんの「コーヒーショップで」の歌詞がしみじみ心に沁みるのはこんな思い出がないとちょっと無理なことではないでしょうか。

思い出のメロディー

何年まえからこの番組が始まったんだろう。NHKでの思い出のメロディーは昔、親世代が見ていて、自分たちが若かったころは当時のヒット曲からしたらなんとゆっくりした曲ばかりだと思ったものだ。さて、あれから長い長い年月が経っていま私たちが親世代になってこの番組を見るとなんと出る歌手、出る歌手の歌すべて口ずさめるではないか。それにうっかり油断して歌に聞き入っているとあるころを思い出して涙ぐんでしまったりするではありませんか。これはもうすっかり歳とって涙腺が緩み切っている証拠です。歌詞もきれいだし歌唱力も抜群な昔の歌手は十分今も現役の歌手さんだと思った。

同窓会がありました

街中の小規模中学校に通っていました。当時、全校生徒数が200人程度で各学年は60人弱でした。私たちの学年も全部で58人だったと思います。4年ごとに同窓会を開いています。毎回オリンピックとアメリカ大統領選挙の年に開催されます。今回は私が幹事でした。そして次回の開催は我々がもう還暦の年齢になります。会場で顔を見るなりなつかしさで大盛り上がりです。みんなが酔っぱらう前に大慌てで次回の幹事を決め、さて「かんぱーい」とあちこちで歓声が上がる中私は一通のはがきを読みました。今回欠席で彼の奥様が代筆された返信のはがきです。彼は二年前に病気で亡くなっていました。そのことが淡々と綴られていました。みんなのテーブルが一瞬にして静かになりました。水を差すとはこのことでしょう。そして我々は自分の一生の時間が残りの方が少ないことを自覚したのでした。次回の同窓会が4年後です。その時まで意義のある生き方をしていこうと思います。