suetumuhanaのブログ

日常のエッセイ

真夜中に音楽を

受験勉強は結構本気で頑張った。そう、睡眠時間が2~3時間なんていうこともよくあった。そんな日には夜中にちょっと息抜きという事でラジオから音楽を流した。その頃は今のように東京キー局からの放送を流すんじゃなくて京都の放送局が独自の放送をやっていた。話し手の話術も優れていたのかそれとも話題がその土地の事柄だったからだからか、つい話に聞き入ったりした。もうそんなに頑張るようなことはこの年齢になるとすっかりないが、それでも夜中にふと目を覚ましてイヤホンでラジオを聴くと布団の中でぬくぬくとしながらあの頑張っていた頃を思い出す。そしてそれとおんなじようにあのころ流れていた音楽を聴くといろんなことがあってこころがすり切れそうになっていた自分を励ましたくなる。

あの本はどうしましょう

かなり以前にお借りした本をどうしましょうかと友人に尋ねられました。その方はたくさんの本があるんでちょっと整理中だそうです。私自身はその本をその方にお譲りしたつもりでいましたのでどうぞ誰か本の好きな方にお譲りくださってかまいませんよと申し上げました。さてその本というのが2冊ありまして、どちらも京都が舞台になっている小説なんです。そのうち一冊は懸賞で当たったもので著者のサイン入りです。そこでその本を次に譲るお相手について一つ注文をつけておきました。それが「京都で育った方かあるいは京都で青春時代を送られた方に譲ってくださいね。」という事です。その時私の脳裏に浮かんだのがかの小説の中にある京都の香りという事でした。たとえばそこに「二人で時雨まじりの三年坂を歩きました。」とあるとします。すると私たちはその現実以上に普段にぎやかな観光地のかの坂道なのに時雨まじりというだけでただよう哲学の道でも嵐山でもない香りを感じるものです。そしてそんなことは世界中のどの地域にもそこで培われた文化や習慣等によってご当地に人間にしかわからない事柄があって当然だと思うんです。

その宝石は何ですか

私の生まれつきは4月です。4月の誕生石はダイアモンドだそうです。この誕生石という概念はのはどんな時に必要なのかよく知りません。例えば婚約する折に相手の誕生月に合わせてその宝石の指輪だったりイアリングだったりを贈ることになるんでしょうか。私はそんなことは別にしてアクアマリンというのが好きなんです。あの色を見ていると瀬戸内海の穏やかな海を思い出すんです。尾道に行ったときに山の上から見た瀬戸内海の海です。文学の小道で林芙美子さんの「海が見える」という石碑があるあの小道です。段々と坂道を下ってきますとその海の色が本当にアクアマリンの色のようでした。ですから私は優しい日差しの中でうっすら輝くアクアマリンが好きなんです。