suetumuhanaのブログ

日常のエッセイ

山下久美子を聴きながら

もう40年も昔、大学のゼミの友人は山下久美子の大ファンでした。その頃私はフォークソングばっかり聞いていて山下久美子をよく知らなかったんだけれどその友人はコンサートに行って(今ではライブというんだけど)椅子から立ち上がって大声で叫んで一緒に歌うんだそうです。その友人はゼミでは「資本論」をまじめに読んで「前衛」なんかに投稿してその記事が載ったりしていたんでそのギャップに驚いていたのを最近ユーチューブで山下久美子を聴いていてふと思い出しました。

友人から電話がかかってきた夜

その電話は突然でした。「私また入院しています。今度は子宮にガンが出来たようです。」とのことでした。乳がんが完治してようやく五年たったのに今度は子宮か・・・」と。僕は花束と数本の映画のビデオを抱えて病院へお見舞に行きました。いつもの丸顔でにっこりした顔を見せてくれました。そう頻繁にもお見舞に行くことが出来ずにいるとその時間の中であまりよくなかった経過をたどったようでもう遠くの世界に行ってしまいましたと連絡がありました。暑い季節でした。もう21年も昔のことです。その年の今日はいい天気で太陽の熱が身体じゅうを打ち付けるような日でした。水越けいこさんの「too far away」を聴いてそんなことを思い出しました。

サントリーオールドの思い出

大学生になってようやく受験勉強から解放された私たちはサークルの仲間たちと安いパブによく行きました。そこではいい格好をしてサントリーオールドをよく飲みました。あの黒い瓶にホワイトのペンで自分たちの名前や目印を書き込んでボトルキープするのでした。そのお店はカクテルもたくさん種類があってそれぞれおしゃれな名前が付いていました。それらはウィスキーと違って口当たりがとても良いのでついつい飲み過ぎてしまうのです。議論するようなことはなかったしカラオケボックスはまだこの世に登場していませんでしたので当時何をあんなにしゃべることがあったのか不思議です。そのお店は学生ばかりのお店で当時の京都の多くの大学生はよく知っていることと思います。カクテルは「〇〇フィズ」というのが多くありその他リクエストにお答えしてカクテルをお作りしますとメニューに書かれていました。酔っぱらった私たちは「まりちゃんフィズ」とか「マコトちゃんフィズ」とかいい加減なことを言ってどんな飲み物が来ても喜んでいるのでした。そんな思いでがつまったパブがおそらくこのコロナのせいだとおもうんですが閉店したんだそうです。人生の一番楽しかったころの思い出の場所がまた一つ消えたのでした。