suetumuhanaのブログ

日常のエッセイ

雨上がりの夕方に

この年の暮れに仕事も一段落したので河原町から木屋町に道を抜けました。もうずっと昔からある「築地」という名の喫茶店はたたずまいがそのままで今もウインナーコーヒーをそっと出してくれそうだし向かいにあるビアホールの「ミュンヘン」は唐揚げが美味しそうでした。彼女が亡くなってか20年にまります。あの人はここの唐揚げでビールを飲むのが好きだったんです。喫茶店もビアホールもちょっと背伸びして入ったのにもうそんなことは遠い昔の出来事でほんの若いころの思い出になってしまいました。いろいろあって今年ももう暮れていきます。笑ってばかりいられないどころか油断していると涙が出そうになる一年でお笑い番組がうるさいばかりにしか聞こえないように感情がどこかへ逃げて行ってしまったようです。それでも昔聴いた歌の歌詞をつくづく聞き直すような作業が心地よいこの頃でした。では皆さんよいお年をお迎えくださいませ。

ダイヤル式の電話

そんなに気軽に電話で話せるようになったんだけど私たちの時代はダイヤルをジーコジーコ廻して電話したんだ。それもちょっと秘密っぽい話の時はわざわざ公衆電話まで行って。だからエイヤっと気合を入れなければ電話できなかった。そんなに早く逝ってしまうならもっと気楽に電話しておけばよかった。町なかの雑踏を潜り抜けて談話線の中を話がくぐって話していたのにあの頃はそんなことも思わなかって本当の用事の時しか電話しなかったのが本当に悔やまれるなぁ。少し話してみたくなったとか言って電話を出来るるのは本当にいい時代なんだと思う。

ことしは菊の花を見ません

毎年門前に菊の花を飾っている家を多く見るのに今年はそんなに見ることがありません。三本仕立ての7立派な菊の花の鉢植えがどこにもありません。ちょっと昔あんなにたくさん菊の花を見たのにどうしてでしょう。かつてはおうちで菊を作るのが趣味のおじさんとがが多かったんでしょうか。花屋さんの店先にもそういえばないように思います。その昔初めてデートした御所の近くで立派な鉢植えの三本仕立ての菊の花を見たのでそれ以来菊の花の三本仕立ては私にとって思い出の風景なのですが。