suetumuhanaのブログ

日常のエッセイ

柘榴(ざくろ)の実がなる頃

小学校の校庭の片隅の水飲み場のあたりに大きな柘榴の木がありました。毎年今頃になると真っ赤な実をつけさらにその実の端の方がパンと割れて小さな果実がぎっしりと見えるようになります。ある日その実が木から落ちていたのかあるいは手の届くところにその実がなっていたのかはもうすっかり忘れましたがその実をみんなで分けて食べたんです。ご存知の方もあると思いますが小さなつぶつぶの中に種を包むように赤い果汁いっぱいの実があります。さてその頃の小学校の担任の先生は軍隊経験のある方がまだまだいらして私たちの担任もそのような方でした。そのような経験をされた人には私たちとは違う価値観というものがあるようです。さてそこで先ほどの柘榴の実を食べていた時にその先生が私たちを見つけて大声で「卑しいことをするな!」と叱ったんです。今思えばそのことはまだ納得できるんですがその先生は私たちが3階あるいは2階の教室の窓から「せんせ~い。」などと呼ぼうものなら「上から人を見下げて呼ぶとはなにごとか!下まで降りて来い!」と私たちを叱ったんです。今思うと何か独特の先生の意識するところの『日本男児』の矜持があったんだと思います。