suetumuhanaのブログ

日常のエッセイ

茶道部

中学校では課外クラブ(いわゆる放課後のクラブ活動)ともう一つ必須クラブ活動というのがありました。必須クラブは課外クラブには何に入っていようと関係なく何らかのクラブに全員がはいるいわゆる授業の一環です。それで私はこの際と「茶道部」に入りました。そこで週一回のお点前のお稽古をすることになりました。さて、そこの部の顧問の先生が定年間際の先生で、戦後すぐの文学少女がそのまま教師定年を迎えられたような先生でした。卒業してからその先生のお宅を友人とお伺いした時のことです。まず、薄茶と生菓子でお迎えをしていただきました。それから百人一首をいたしましょうということになり木箱から丁寧に札を出してこられました。その読み札は流暢な変体仮名の連綿でしかも上の句しか書かれていません。当然取り札も連綿ですらすらと文字が書かれていました。読み手は変体仮名の一部からその歌を思い出して読み、取り手は下の句が読まれない読み札で取り札を取るというすさまじくも優雅なお遊びをさせていただきました。