suetumuhanaのブログ

日常のエッセイ

眼科においての出来事

私はみつきに一度程度眼科で診療をうけなくてはなりません。その時に、毎回同じ先生に診ていただくことになるんでおのずと受診の曜日が決まっています。その眼科では複数人の医師がいらして、できるだけ継続して同じ方に診ていただいた方がいいんではと思うからです。するとその曜日はどうも白内障の手術の日でもあるらしく毎回私が待合で待っていると眼帯をした患者さんが向こう側の扉から出てこられるのを目にします。さてその日は必ず家族の方にお迎えを御願いしますという事になっているらしく術後の時刻に合わせて受付に家族らしき方がまだでしょうかなどと現れます。私はよく知りませんが白内障というのはお年寄りのおばあさんのが多いのかその様子を観察していると患者さんがおばあさんでお迎えのご家族がおじいさんという形が多いように思います。そしてそのどの方もそのおじいさんのお優しいのに感心します。受付で料金をはらって呼んであるタクシーまで手を引いて眼科を出ていかれるのを見るとあんな老夫婦を目標にしようと思います。

誕生日のケーキ

帰りにケーキ屋さんによって誕生日のケーキを買って帰ろうと決心したのはその建物を出る直前でした。でもその時はまだカットされたケーキを数種類買ってみんなでスプーンの先でとりあってちょっとずつ味見するつもりでした。さてところがそこのケーキ屋のオーナーらしき明らかに私よりずっと年上のお姐さんが「お誕生日は一年に一度なんだからホールのケーキを買いなさい。」とおっしゃるではありませんか。こっちはこっちで来週の初めには眼科に行って高価な目薬を買う羽目になっているのがわかっているんでそれは困ったなぁと思っているともう一度きつくホールケーキを推してくるではありませんか。それに「お誕生日おめでとう」と書いたチョコレートのプレートまでつけてロウソクまで用意してくれました。それでは今日はお姐さんのおっしゃるとおりに致しましょうと言って高価なホールケーキを買って揺らさないように注意してようやく家に持ち帰ってきました。京都にしては珍しく押しのきつい店で二度とその店には行くもんかと穏やかに意地悪く決心したのであります。

彼女は長崎から来ました

私たちのサークルは体育会ほど重厚ではなかったけれど愛好会のように軟弱でもなかった。他校との試合も結構あったし、それから春と夏の合宿も結構本気だった。夏は毎年富士山の見える民宿で十日間の缶詰状態だった。(先輩たちはその状態を禁パチと呼んでいた)毎朝きれいな富士山が窓の向こうの山中湖越しに現れると京都ほど湿度がない分ちょっと楽なんだけどそれでも結構日差しのきつい中午前と午後に練習があった。午後の練習の最中に休憩時間があって牛乳が配られた。瓶の牛乳なんて小学校の給食以来なんで慌てて飲んで口の両側からこぼれるようなこともあった。それでも春には新入生の歓迎また夏や冬の休み前にはコンパの大騒ぎもあった。毎回、肩を組んで校歌と応援歌とサークルの歌を歌ってコンパが終わるのだった。さてそんなところへ長崎出身の大変おとなしい人が入部した。彼女は高校時代文芸部で活躍していたらしく文章が大変上手でサークル内で発行する当時手書きガリ版刷りの誌面にいつも景色が目に浮かぶような文章を載せていたものだ。それにしても何か不思議な雰囲気を持っている人でそれでも合宿やコンパでは校歌と応援歌、サークルの歌も一緒に歌った。今もうすっかりいい年の重ね方肩をしているご婦人になっておられることだと思う。