suetumuhanaのブログ

日常のエッセイ

今日は卒業式だったそうです。

夕方、街ですれ違う人の中に振袖に袴姿の方やスーツ姿の方で手に私の卒業した学校のマークの付いた紙袋を下げている人を見ました。今日は卒業式だったんでしょう。私がこの学校を出たのはもう35年ほど前になります。昨日たまたま、履歴書を書くことがあってもうそんなになるんだとあらためて思い至ったものです。私の卒業式の日にはもちろん携帯電話もなく友人と連絡をとるのもLINEなどという便利なものなどありません。さて、その日、式の合間になにやら紙切れが回ってきてそこには「こんばんは高島屋前に集合です。」と書かれていました。サークル仲間での打ち上げのお誘いです。みんな卒業式の服装のまま高島屋の前に集合してその日は夜遅くまで学生時代の思い出に浸ることとなりました。

大丸百貨店に行きました

ちょっとした用事で大丸に行きました。地下の食料品売り場はお中元やお歳暮の時にたびたび利用するんですが用事があってエレベーターに乗って上の階まで行ったのはほんとに何年振りかというよう出来事でした。何しろ私たちは小さいころから大丸百貨店などと呼ぶことはありませんでした。いつもかの百貨店は「大丸さん」と呼んでいたのす。おそらくこの辺りの人々は大人も子供も「大丸さん」としか呼びませんでした。私たちは真夏の暑い日には大丸さんへ冷房にあたりに行き足踏み式の冷水器があってそれを飲んだようにも思います。同じクラスの昆虫博士はエスカレーター横の壁の「アンモナイト」の化石をよく見に行っていたものです。「大丸さんの横に怖そうなおっちゃんがやはったえ。」などと当時の子供たちは大丸さんにも怖そうなおっちゃんにもみな敬語を用いて表現したものでした。

桜はほんとは山桜だとか

むかしむかしまだ高校生の頃、国語だったか日本史だったかの先生が春の桜の咲いている頃にこんなことをおっしゃいました。「本来、日本人がほめたたえてきた桜は今咲いているソメイヨシノではなくて山桜なんだ。」と。その先生によると春の気候のもやっとしたころに春霞が似合うような「ソメイヨシノ」は昔から詩歌に詠まれた桜ではなくてあれは「やまざくら」のことなんだということらしい。その言葉を聴いてからなんとなく私の心にもすとんと納得したものがありました。もうひとつ付け加えるとその先生によれば先の戦争で若い命を散らされた特攻隊のボタンについていたのはれっきとした「やまざくら」であって決して「ソメイヨシノ」ではないとよく強調されていました。