suetumuhanaのブログ

日常のエッセイ

このまま地球が燃え出しそうだ

昔、長崎からやってきて京都で下宿していた文学部の彼女は京都の冬のあまりの寒さにこのまま地球が氷河期になるんじゃないかと毎年のように心配をしていたものです。高校時代文芸部員だったという彼女はいかにもそのようで何かふわっとしたところがあってそれなのに大学の軟式テニス同好会という合宿も富士山のふもと山中湖でがっちりあるようなサークルに入ってきたんです。まじめに面白いことをおっしゃる文学少女の大人版でした。そしてこう暑い毎日だとその彼女の口調をまねてこのまま地球がマグマから爆発するんじゃないかと毎年夏に心配になる私なんです。

中村紘子さんのこと

中村紘子さんが亡くなったというニュースを聞きました。彼女の名前を聞いてピアニストと連想する方は音楽に興味のある方でしょう。テレビコマーシャルを思い出す方もいるでしょう。そしてある一定の年齢の幅にある方々は彼女の名前を聞いて庄司 薫さんの奥様という事を思い出すでしょう。
 高校2年生のことです。当時教科ごとに教室を移動してクラスとは別のメンバーで授業を受けていました。何の授業だったかは忘れたんですがその机に「かぐやひめ」のライブ盤のLPが忘れられてました。そこは私がひそかにあこがれていたルミコさんの机で彼女が忘れたものでした。私は彼女の大親友であるフサコさんとは友人関係でしたのでそのレコードをフサコさんに預けてルミコさんに「これ忘れていたのでお返ししておいてほしい。」と頼みました。そしてついでにルミコさんに特別お付き合いされている方はいるんですかとかそんなことを尋ねたりしました。そこでフサコさんの私へのアドバイスは「彼女は優しい人がいいみたいだよ。」という事でした。そしてその男の人の優しさとは「赤頭巾ちゃん気をつけて」の「庄司 薫くん」のような人だと思うよ、とのことでした。私はそれから早速「赤頭巾ちゃん気をつけて」を読み今に至るまで何度も読み返したものです。

リプトン

御遣い物を買いにリプトンに行くことにした。私たちにはちょうどいい程度のというのはあまり派手ではなくて、けばけばしくなくて、大人の御遣い物にはぴったりと思ったからだ。今から40年ほど前私たちが高校生で京極や河原町を闊歩していた頃、喫茶店に入るには勇気がいったし、食事をするんではなくてちょっとお茶というときに行くのがリプトンだった。紅茶がおいしいお店で当時私はコーヒーの蘊蓄を語るより紅茶をおいしくいただくことの方がかっこいいと思っていた。今日お店に行った折に喫茶の方をちょっと覗くとお食事メニューもすっかり増えた様子だった。それから数年して「ココリコ」というパイと紅茶の美味しいお店ができたんだけど今では見なくなってしまった。大阪なんかに行かばチェーン店が残っているんだろうか。京都ではもうお店を閉じられたようでそれはそれで残念なことだけどそのことを思ってもリプトンが堂々と今でも三条にあるのはこれはこれでリプトンの力強いところだと思う。